【教育関係者のためのティール組織】学級パラダイム一覧表

教育

 

ご自分の学級組織はどのパラダイムに属しているのか?

(パラダイム・・・ものの見方、考え方を支配する認識のこと)

参考にしてください。

 

【教育関係者のためのティール組織】10分で読める超ざっくりまとめ

 

の続編です。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

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はじめに

前回の記事をお読みになって

「ティール組織って難しそうだけどいい本みたいだね」

「うちの学級もティールを目指したいな」

と思われた教育関係者の方向けに、下の図をさらにわかりやすく解説しました。

 

 

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(巻頭付録より引用)

 

 

 

「力が全て」衝動型(レッド)学級

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衝動型組織の長がその地位にとどまるためには、圧倒的な力を誇示し、他の構成員を無理やり従わせなければならない。一瞬でも隙を見せると、他のだれかに寝首をかかれてしまう。

 

リーダーの与える恐怖が原動力の衝動型学級では、教師は常に子どもを威圧し、恐怖させることによって統制をはかります。

 

子どもは「今」恐怖から逃れるために、教師の指示に従いますが、そこに自身を成長させる意欲はありません。教室内は常に怒号と不信に溢れています。

時には徒党を組んだ子どもによって、学級の主導権を握られることもありますから、教師は威圧という武器を手放すことはできないのです。

 

教師にとってはここだけは避けたいパラダイムです。

 

このパラダイムの実践者・・・「学級崩壊状態」

特徴・・・教師による怒号、威圧、机や椅子や教壇を蹴るなどの暴力行為 反抗の芽とと教師がみなす行動に対しての制裁 トラブルが絶えない 授業が成立しない 学力低迷 授業の進行が極めて遅い(もしくは全く静かで反応がない)

 

子ども観・・・「野放しにすると何をしでかすか分からない危険な存在」

 

 

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「絶対権力者の君臨」順応型(アンバー)学級

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 学校は、世界中のほとんどあらゆる場所で、一クラス当たり二五名をひとまとめにして一年ごとのペースで加工するというつまらない工場に変わってしまった。子どもたちは事実上、事前に決まったカリキュラムに従って自動的に押し流される交換可能な部品として見られている。教育サイクルが一通り終了すると、型にはまった子どもたちが卒業し、はまらなかった子どもたちは途中で放り出される。

 

 

 先進国社会に生きる人々の大半はこのパラダイムに従って活動しています。軍隊、教会、一部ブラック企業……その最たるものが公立学校です。

 

衝動型学級とは異なり、秩序がうまれ、計画的なカリキュラムや指導方針がこのパラダイムから登場しはじめ、継続的な成果を上げることが可能になってきます。

 

「統制」と「安定」がキーワードの順応型パラダイムでは、教師は絶対権力者として君臨し、その階層は揺らぎません。高い成果を上げるためには、教師が子どもを統制する必要があると信じられています。

 

順応型学級では、「システムの維持」に最も高い価値が置かれています。

 

決められたカリキュラムを決められた時期に決められた時間数で消化すること。

 

教師の定めた目標を達成すること。

 

このふたつを遵守することが順応型パラダイムの不文律であります。

そのため、個の存在は「システムへの順応度」で価値づけされます。

 

 

この教育システムでは、生徒に知識を詰め込む全知全能の教師が前に立ち、生徒たちが何時間も静かに座って授業を受けると学習効果が最も高まると信じられている。自分で学習計画を決めて目標を設定することは子どもにできるはずがないとみなされ、それは教師の仕事とされる。

 

 

このパラダイムで最も高い価値を与えられるのは

 

45分間静かに座り

教科学習に意欲的に取り組み高い成績を出し

授業時間外でも率先して授業の予習復習に励み

返事の声が大きく 挙手の手が高く

素直で

教師の方針を疑わず従順に従う子どもです。

 

 

学制が敷かれてからというもの、日本の公教育は長らく順応型パラダイムに沿って学校を作ってきました。日本という国家が未成熟で、まだ知識というリソースに個人がアクセスする力が十分でなかった頃は、順応型学級はたいへん効果的に作用したはずです。

そして、教員養成のシステムも、このパラダイムに沿って発達しました。全ての学級を衝動型ではなく順応型にシフトすることを善として授業が行われてきたはずです。

しかし情報化が進展し、これほど豊かになった現代において、学校で習う知識のほぼ全ては学習塾や自宅のインターネットなど、あらゆる場所からアクセス可能です。

 

これまで順応型学級の公教育が提供していた

メリット・・・高い水準の知識にアクセスできる

デメリット・・・身体性が必要 個々の学習の進度に沿わない 教師を選べない

 

のうち、インターネットはメリットを提供しつつ、見事にデメリットを消し去ってしまったのです。

 

順応型学級の公教育を受ける人のうち、

きわめて高い水準で学びたい人

きわめて低い水準で個別に指導が必要な人

は、既にこのパラダイムに適応できなくなっています。

 

授業を全く受けてないのにテストで毎回100点を取ってくる「学校漂流者」や

1クラスに必ず数人はいる、本当に一生懸命やっているのに成果が出ない「学習低迷児」など

 

システムを維持するために、「問題児」のレッテルを貼らざるを得なかった子ども達です。

 

 

順応型パラダイム以降は「解」である

順応型学級には(+)と(-)が存在します。

皆さんが子どもの頃受けた教育はほとんどが順応型だったかと思いますが、その中でも幸福だった時と、そうではなかった時があるのではないでしょうか。

「統制」があるから悪というわけではなくて、

順応型学級(+)以降は、それぞれが、子どもを幸せにするひとつの解であると、なるさわばしこは考えています。

 

正負を分かつのは「ルールの明確さ」と「愛情」です。

 

学級にある様々な手続きとなぜそれが必要なのか

(授業中の態度、掃除の仕方、給食のおかわりルールなど)

褒められる場合、叱られる場合の違い

そして根底にある

「あなたたちを良く育てたい」

という教育的愛情。

 

これらが揃った順応型学級は、高い成果を上げつつ子どもを幸福にするでしょう。

 

このパラダイムの実践者・・・「菊池省三先生」

甦る教室: 学級崩壊立て直し請負人 (新潮文庫)

 

甦る教室: 学級崩壊立て直し請負人 (新潮文庫)

 

菊池先生は数多の崩壊した学級に秩序を持ち込み、再生してきました。

衝動型学級を順応型学級に進化させる天才です。

 

特徴・・・共通項 授業時間のほとんどを黙って過ごす 立ち歩き、行動の遅れには罰が与えられる カリキュラム既定 教師が目標を決める 一斉指導 上層と下層ははみ出し者

 

(-)目的は統制 ルールが不明確 守った場合と破った場合の対応にムラあり 厳罰 不適応児童はたとえ授業を全く理解していなくても見捨てられる 「あいつがいないから今日は静かだった」 「○年生からやり直した方がいいんじゃない」

 

(+)目的は成長 ルールが明確 守った場合安全が保障される 穏やかな注意 不適応児童の背景が理解され適切な援助が受けられる ほとんどの子どもが高い成果を上げる

 

子ども観・・・「大人が管理し統制して育てねばまっとうな大人にならない存在」

 

 

 

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「成果が価値」達成型(オレンジ)学級

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意思決定の基準が論理から有効性に変わる。世界がどのように動いているかを理解すればするほど、多くのことを達成できる。最善の判断とは、最大の結果をもたらす判断のことだ。

 

 

順応型学級は「システムの維持」が目的でした。達成型学級では、「成果を出す」ことが目的となっています。

 

 

達成型学級では、成果を出せばだすほど、何らかのご褒美がもらえます。順応型学級ではムチのみで運営していたところに、達成型学級ではアメという概念が加わるのです。学校という枠を飛び越え、世界を基準に物事をみるものさしが子どもに与えられるため、勉強が飛躍的に面白くなるでしょう。制度の整ったホワイト企業は、このパラダイムに属しているケースが多いです。

 

成果を出しさえすれば、そこに至るまでの手段にはかなりの自由度が認められます。学校における成果とは本来「人格の完成」であるわけですが、達成型学級では目に見える結果や数字を重視する傾向にあります。多種多様なコンテストに応募し、学級のテストの点数にこだわります。

 

教師の管理体制は順応型と変わらず求められるものの、このパラダイムから、子ども達へある程度の「権限の委譲」が行われます。

 

教師から「特定の分野で成果を出す」ことを任されたリーダー達は、自身の裁量でメンバーを動かします。例えば、「学習に関する劇でクラス1位になる」なら、

「○○さんは手先が器用だから道具を作って」

「○○君はしゃべりが上手いから発表してくれる?」

というように、それぞれの個性や才能を考えながら、適切な役へ配置していきます。

 

リーダーを教師役にして、授業を進める学級もあります。 

今まで「全知全能の教師の頭脳」ひとつで運営していたところに、「30人の子どもの頭脳」というリソースが加わったことによって、学級全体が高い成果を上げられるのです。

 

このパラダイム以降、先生の立場は「監督」よりも「演出家」に近い側面が強くなってきます。

 

先生たちは子どもを「統制」することに使っていた頭を、「いかに勉強を面白くするか?」「子どもを自発的に育てるか?」という問いに使うことができるのです。子どもと同様、先生たちも仕事が面白くなるでしょう。

 

「有能な仮面」という影

 

しかしながら、「成果主義」の裏には、ある種の残酷さがあります。

 

「成果をどんどん出せる幸福な子ども」の裏には、「どうしても成果を上げられない子ども」や、「一生懸命背伸びをして、ようやく成果が出せる子ども」も存在するわけです。順応型と同様、達成型でも弱者は排除されてしまいます。成果を上げなければ、弱者とみなされてしまう。排除されないためには、「強者である自分」を仮面をつけて演じるしかないのです。

 

 

人々は仕事用の仮面をかぶるようになる。常に自分の果たす役割にふさわしく見えなければならない。いつも忙しく、しかし落ち着いて、能力を磨き、状況を把握していなければならない。ほかの何よりも合理性に価値がおかれる。感情や疑念、夢は仮面の下にみごとに隠され、自分の弱みを外に見せることはない。

 

達成型学級で得られる飛躍的な成長の裏に、こうした「仮面をつけた子ども達」の苦しみがある可能性を、忘れてはいけないのです。

 

このパラダイムの実践者・・・「沼田晶弘先生」

ぬまっちのクラスが「世界一」の理由

 

ぬまっちのクラスが「世界一」の理由

 

 沼田先生はアメリカの大学院でスポーツ経営学を学んだ経験を基に、動機付けのメソッドを多数開発しました。

「ダンシング掃除」や「内閣制度」、「コンテストで稼いだ賞金でリムジンに乗り帝国ホテルでディナー」など、大人もワクワクする「アメ」を持ってきたのです。

 

「学力的に高位だが自分の頭では考えない私立小の」順応型学級を「高い成果を上げつつ自分の頭で考える」達成型学級に進化させる達人なのでしょう。

 

このパラダイムの実践者②・・・「浅野 學峯(あさの がくほう)先生」

 

漫画「暗殺教室」に登場する、椚ヶ丘学園の理事長です。

(暗殺教室 第12話より引用)

 

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

 

「5%の怠け者と95%の働き者を作る」という考えを基にした合理主義から、学校全体で意図的にE組生徒を差別して貶めさせることで、残りの優秀な生徒のやる気と才能を引き出すよう仕組んでいる。

 

浅野先生は、椚ヶ丘学園において「成績が価値」という徹底的な合理主義を敷きました。テストの点数に応じて受けられるサービスが変動するシステムなどによって、高い成果を上げましたが、その影には上位層の「成績を上げないと受け入れられない不安」、また下位層には排除され、旧校舎に追いやられたE組の子ども達がいたわけです。

 

 特徴・・・共通項 高い成果 意欲的な活動(教室内でも学校内でも学校外でも)クリエイティブ

 

(-)弱者 二面性 自己開示がしにくい 弱みを見せにくい 疎外感

(+)強者 リーダーシップ やりがい 自信 貢献感

 

子ども観・・・「それぞれ才能があり、有能な存在」

 

 

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「みんなかぞく」多元型(グリーン)学級

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多元型は人々の感情にきわめて敏感だ。あらゆる考え方は等しく尊重されるべきであり、公平、平等、調和、コミュニティー、協力、コンセンサスを求める。この見方に基づいて自発的に動くには、だれとでも密接で協調的なつながりを築くよう努力しなければならない。

 

 

「システムの維持」の順応型や、「成果は価値」の達成型と異なり、多元型学級では「代替不可能な個人」を最も尊重します。

 

すべての人は平等で、その意見は等しく尊重されるべきものである……多元型学級はそのようなパラダイムです。

 

奴隷制の廃止や女性解放運動を訴えた活動家や、NPO法人などが、このパラダイムのもと、ごく少数ながら存在しています。

 

人と人との繋がりを重視する多元型学級では、学級の空気はたいへん穏やかであり、自治的です。子ども達ひとりひとりの感情が大切にされ、コミュニケーションに齟齬や違和感のある時には、子ども同士でこまめに話し合いが行われます。(大抵の場合、教師の介入なくして解決を図れます)

 

また、それぞれの「弱み」「困り感」を、多元型学級では隠さずに出せるようになってきます。複雑な家庭環境にある子どもが、「言語化できない寂しさ」を学級で放出し、大泣きしても「まあみんな色々あるよね」と受け入れられる風土があります。「弱者を見捨てない」価値観は、学級全体の安心感を大きく育むでしょう。

 

達成型学級までに存在した教師の管理体制は無くなり、教師と子どもの間にすら、フラットな関係性が敷かれています。教師は子どもを、可能な限り大人と同じように扱います。その指導は「○○しなさい」という威圧的なものではなく、「先生は○○したほうがいいと思うんだけど…」と、一個人からの意見という形が取られます。

 

このパラダイムに属する子どもは、非常に人懐こく、大人に対して臆さないことが多いです。柔らかな笑みを浮かべ、自由闊達に過ごしています。教師の得意不得意をよく熟知しており、「○○しておきました」「先生、○○はしなくて大丈夫ですか?」と適宜援助してくれます。また教師側も、そういった子どもに対し、丁寧に感謝の意を示します。

 

また、多元型学級では、カリキュラムは決まっているものの、授業時間のほとんどを子ども達で運営することが可能になります。45分授業の場合、40分近くを子ども同士での協同学習に充てることで、子どもが教え手と学び手の役割を入れ替えながら、個々の理解度に合わせた形で学習をすることができるのです。達成型学級までで見捨てられていた下位層の子ども達にとっては、多元型学級は大きな救いの場になることでしょう。

 

良くも悪くもユルい

 多元型学級では、全ての子どもの感情や意志が尊重されます。成績よりも人間関係の方が価値が高いと認識されているため、クラスの話し合い等で授業時間がつぶれることはザラ。子ども同士の仲はいいし問題行動もほとんどないが成績がイマイチな「オトモダチ学級」になる危険性もはらんでいます。集合体を尊重しつつ成果を上げるためには、多元型学級の教師に人間性だけではない、教科を見通した視野が必要になってきます。

 

また話し合いにおいても平等を重んじるため、子どもひとりひとりから丁寧に丁寧に意見を聞き取った結果、「結局実践的なアイデアは何一つ出ていない」などということもよくあります。「あれもいい」「これもいい」と色々なことに良さを見出す弊害でしょう。

 

このパラダイムの実践者・・・「西川純先生」

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)

 

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)

 

 西川先生は、子ども同士の関係性を利用した学習システム『学び合い』の開発者です。

「2割の子どもは学校で習う内容を既に知っている」ことから、学校の役割は「一斉指導」の提供ではなく「人という関係性を活用した学習の場」に変わっていく。変わらざるを得ないと西川先生は仰っています。

 

45分のほとんどを子どもに預けるマインドは、広い視野と強い信頼がなければ培われなかったでしょう。

 

特徴・・・共通項 個の尊重 人間関係良好 「家族」に近い感覚 家にいるような安心感 穏やかな空気 笑顔が多い 自由闊達 優しい 弱者を見捨てない 学校が楽しい チームで協力することで何らかの報酬が得られる 教師の人間性 教師と子どものフラットな関係性

 

(-)オトモダチ学級 成果が低い 「どうしようかな」 教師の指針が定まっていない

(+)教師側にサーバント・リーダー(子どもに耳を傾け、権限を委譲し、動機づけ、育てる)資質がある 学級の目標が明確 日々の授業の目標が明確 高い成果 

 

子ども観・・・「ひとりひとりが同じように尊重されるべき、代替不可能な存在」

 

 

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「理念に命を」進化型(ティール)学級

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子どもたちは自分の学習について全責任を負い、何事も自分で学ぶか、互いに教え合っている。大人はたいてい助言者兼コーチであって、従来の学校教育での教師としての役割は、必要なときだけ果たす。子どもたちを励まし、子どもたちの相談に乗り、ほめたたえ、意見や感想を述べ、意義を唱える。しかし、学びの最終責任は間違いなく生徒の側にある。

 

 

教育の目的は「人格の完成」

 

それを「理念」にかかげ、子ども達ひとりひとりがそれに向かって、本気で突き進む。教師が今まで行ってきた役割は、子どもの中に移行します。

 

「私の人生の目的は何だろう?」

「それを達成するために、今何が必要なんだろう?」

 

子ども達はこうしたことを自分の頭で考え、主体的に行動します。もはや彼らは、大人が「指導」すべき存在ではないのです。

 

 このパラダイムを理解するには、我々の経験してきた「学校」という概念を一度引っ繰り返す必要があるかもしれません。

 

進化型学級では、「理念」の実現のため、子どもに極めて高い自由度が与えられます。

 

カリキュラムという考え方が無くなり、子ども達は自分のペースで、時には他の子どもと協力しながら、

学びたい事を(内容)

学びたい時に(時期)

学びたいだけ(量とレベル)

学びたい人から(教師)

学ぶことができるようになります。

 

自主性が限りなく尊重されるため、

育ちたい方向や目標は教師ではなく、子どもが決めます。

 

カリキュラムも宿題も存在しません。

予算の使い道や教師の採用権ですら子どもにある場合もあります。

 

たとえば算数が苦手な子どもは、理解できるまで算数に取り組み、また興味をもった分野にはもっと進んだプログラムに挑戦する権利が与えられています。

 

「人前で話すのが苦手なので克服したい」といった生活面での課題も、教師や仲間達とのアドバイスをもらいつつ、自分で解決策を考えて成長できるプログラムが組まれています。

 

一応、学校としての「到達目標」はあるものの、オランダの進化型学校ESBZでは、大抵の子どもはそれよりも高い目標を目指し、実際に達成しているそうです。

 

「アドバイザー」としての先生

どの生徒も毎週金曜日に担任の先生との個別面談を行う。生徒と先生は、一週間を振り返り、課題の進捗状況や翌週の計画を確認し、何か問題があればそれについて話し合う。もちろん、心配事や人間関係の悩みを相談してもかまわない。毎週の個別面談を通じて、生徒と先生は従来の学校よりもはるかに深いレベルでお互いを理解し合っていく。子どもたちは、「自分を気遣ってくれる人がいる。私の話に耳を傾けてくれる人がいる」ということを知っている。

 

進化型学級では、教師の役割そのものが「アドバイザー」に変化します。子どもに正解を示し、教え育てるのではなく、人生の先輩として、フラットな立場から肯定的関心を向け、助言をする立場です。

 

子ども達は教師に対し、適宜助言や援助を求めることができますが、学びに関してはほぼ完全に自立しています。仮に先生が不在でも、彼らは自分たちだけで学びを続けるでしょう。

 

このパラダイムの実践者・・・「葛原祥太先生」

 

葛原先生は、宿題という一分野において、進化型のパラダイムの思考様式をインストールしました。けテぶれは、宿題を通して子どもを自立した学習者にするメソッドです。

従来の学校システムでは、宿題は「やらせる」ものでした。それを本質的に考え、「自身を成長させる手段」に変えた彼の功績は大きいでしょう。

 

このパラダイムの実践者②・・・「殺せんせー」

漫画「暗殺教室」に登場する、地球外生命体、兼、椚ヶ丘中学校3年E組の担任です。

(暗殺教室 第1話より引用)

 

「地球外生命体を暗殺すること」を理念として掲げたE組は、暗殺達成のためそれぞれの才能を最大化し、能力の向上を図ります。殺せんせーの役割は徹底的にアドバイザー。生徒たちの能力値、傾向を把握し、助言し、成長を見守ります。

 

作中で一度、殺せんせーは拉致監禁され、命の危機に瀕しましたが、E組の生徒たちは見事なコンビネーションによって殺せんせーの救出に成功しました。進化型学級の進化は担任不在の時に発揮されるのです。

 

 特徴・・・自律 自主性 高い成果 やりたいことに使える時間が多い 貢献感 有能感 社会へのコミット 教師はアドバイザー カリキュラムは子どもが決める 予算と人事権は子どもにある

 

子ども観・・・「自立した体の小さい大人」

 

 

原則

「ティール組織」の思想をインストールするにあたっては、いくつか留意する点があります。

①上層ほど複雑であるが優れているわけではない

アンバー=劣っている

ティール=優れている

このような考え方は誤りです。

上層の思想は下層のパラダイムを全て内包しています。

例えばオレンジは下層にあるアンバー・レッドのパラダイムを含んでいます。

 

②ティールは目指すべき正解でもゴールでもない

世界に存在するティール組織はすべて

「気付いたら最適な形がこれだった」

という形でティールに辿り着いたそうです。

 

ですから、皆さんの学級も

30人が幸せにいられる最適なパラダイムは

ティールかもしれないし

グリーンかもしれないし

オレンジかもアンバーかもしれないのです。

ティールを知ることは目指すためではなくて

「選択肢と視野を広げる」くらいの感覚で気楽にいきましょう。

 

③進化は加速できるが 飛び越しはできない

例えば あなたの受け持ったクラスがもともと

学級崩壊状態のレッドパラダイムだったとして

それをいきなりオレンジやティールパラダイムにもっていくのは不可能です。

まずはひとつ上の

アンバーパラダイムへの進化をねらいましょう。

 

④リーダーのパラダイムを組織は超えられない

ティールの思想を深めたい最大の理由はこのため。

アンバーパラダイムの人は組織をレッドかアンバーにしかできません。

オレンジパラダイムの人は組織をレッドかアンバー、またはオレンジにしかできません。

 

パラダイムを知っているということは、子どもを幸せにできる選択肢を持っているということなのです。

 

ティール=正義と捉えてはいませんが、視野を広げるという意味で、ティールの考え方は必須だと思います。

 

 

おわりに 教育最大の問題は「選べないこと」では?

以上、「ティール組織」で紹介されているパラダイムを、教育関係者向けに翻訳しました。

何度も述べていますが、なるさわばしこはアンバーが劣っていて、ティールが優れていると思っているわけではありません。

 

それぞれのパラダイムには良さがあるし、そこで成果を上げている先生たちもいる。確かに幸せになっている子どもたちがいるのです。

 

ただ問題だと感じているのは、ほとんどの子どもが通う公立小学校では、「順応型学級しか選択肢がない」点です。

 

私たちは、

着るものを選ぶことができる。

食べるものを選ぶことができる。

付き合う人を選ぶことができる。

こんなにも豊かな国に住んでいるのに、

教育はなぜこんなにも選べないのか。

 

子ども達には、「教育を選ぶ権利」があるのではないか?

 

従来の「明確な正解がある一斉指導」が向いてる子どもは順応型を選べばいい。

「成果を出すことが好き」な子どもは達成型を。

「皆と仲良く、人を大切に」に共感するなら多元型を。

「理念を基に個々が自立する」形が合うなら進化型を選べばいいのです。

 

なるさわばしこは、個々に合った教育を選べることが、「教育の最適化」の本質ではないかと思います。

 

この記事を読んだ先生たちが、

「今の自分のパラダイムはどこだろう?」

「学級の子ども達に最適なパラダイムはどれだろう?」

と考え、それぞれの場所で、最適化を図ってくれたなら、こんなに嬉しいことはありません。

 

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