I’m addicted to McDonald’s

バックボーン

 

 

 

 

マクドナルドが好きだ。

 

 

 

 

初めて知る人は皆「意外」だと言うけれど、私はマックが好きで仕方ない。

三大欲求に加えてマック欲があるんじゃないかってくらい、マックに心酔する者のひとりだ。

今でこそ筋トレを頑張っているのでどうにか週に一度に抑えてはいるが、少し前までは週に四回ほど通っていた。(相当多いと驚かれるが、私としてはマックに行く日と行かない日が交互にあるので、そこで色々バランスが取れていると認識していた。)

 

マクドナルドが好きだ。

 

まずあの赤と黄色の眩しいカラーリングが目を引くし、店の前を通った時にする独特の匂いがたまらないし、大体いつでも開店していて、いつ行っても大体同じような感じの店員さんがいて、

いつ食べても大体同じ味がするというのがいい。

 

ビッグマックはあのサーモンピンク色のうすいタルタルソースが優しく、なんだか安心する味で私を包み込んでくれるし、

 

ダブルチーズバーガーはチーズとケチャップの旨味がガツン!と来てジャンキー感を味わえ、たった100円プラスするだけでパティも2倍になってハッピーだし、

 

てりやきバーガーはあの甘酸っぱいソースをたらしながらバンズをビチョビチョにして食べると背徳的でたまらない。

 

 

ポテト、そうだ、特にマックのポテトはいい。

 

 

企業マークの黄色とリンクする色味がセンスに溢れているし、ジャガイモ本来の素材を生かしたカットで、長短色々な形があって終盤まで飽きさせない工夫。

無料でもらえるケチャップはポテトとマッチする味に設計されている。ディップするのに丁度良い深さの容器であることも高ポイントだ。

 

7分で廃棄するという企業努力によって、いつでも私たちはホカホカのポテトが食べられる。なんて素晴らしき現代社会だろう。

黄金色の海に手を出したが最後、いつも意識は宇宙の果てまで飛ばされる……次に気付いた時には、もう既にポテトはないが、ああ、それは必然のことだ。仄かな寂しさを堪えきれず、またホカホカのポテトを手に入れるため旅に出ればいい。

 

私などはあまりの愛から、iPadの背景をポテトにしている。

 

 

「マックばっかり食べたら太る」と友人は言う。

「健康に悪い」とも。

オイリーかつソルティーなメニューを鑑みれば、無理もない意見だと思う。

 

公式サイトより引用)

 

公式サイトに備え付けられた栄養バランスチェックで調べてみる。(マクドナルドにこんなものがあること自体皮肉とは思うが)私の好きなビッグマックとポテトLサイズを入力してみると、それぞれどちらも500キロカロリーほど。

 

公式サイトより引用)

 

公式サイトより引用)

 

セットにしてドリンクを爽健美茶で抑えたところで、カロリー合計値は1042を指す。女性の平均基礎代謝、1500キロカロリーに一食で迫る計算だ。

脂質に至っては1日の指標値45.8gを超える54.2gを軽々とマーク。

 

破滅的な栄養バランスを根拠に、私の周囲はいつもしたり顔で説教してくるのだ。「マックなんかやめて、もっと身体にいい食事をしなさい」と。

 

それでも私は、マックが好きだ。

いや、「好き」という言葉は正確ではない。マックはもっともっと、私の内面に根差したものだからだ。

嗜好性の高さを抜きにすれば、立ち位置的には白米のようなものだ。

 

みんなは白米を食べるのをやめるか?

やめないだろう。

白米で糖尿病のリスクが上がるとしても?

多分やめないだろうと思う。

 

酒だって万病の元と分かっていても懇親会だなんだと理由をつけては飲むだろう。稀に当たるからといっても、牡蠣を食べる人は食べるかもしれない。

 

そもそも、どんな食品にだって害はあるもの。みんなそれぞれ折り合いをつけて、時には言い訳しながら食べている。食事が身体の機能を維持するだけのものならば、必要栄養素だけを配合したカロリーメイトでも齧っていればよろしい。でもそんな生活、なんてつまらないんだろう。

 

私はできるだけ、幸せになれる食べ物で自分を満たしたいだけだ。人生には限りがあるし、食事の回数は決まっている。

美味しくないものを食べてる場合じゃないのだ。

 

 

なぜ私がこんなにもマクドナルドを、

ハンバーガーをポテトを愛してやまないか。

きっかけは、絶対、私の生育環境のせいだ。

 

 

今でもよく覚えている。

あの頃のマックは、

駄菓子みたいな価格でハンバーガーを売っていたし、店内はごみごみしてた。原色やネオンカラーのオリジナルキャラクター達が偉そうな顔でハッピーセットに君臨していた。

 

母と姉と、当時お世話になってた教会の女牧師さんの4人で来ていた。5歳になった私は、年長さんのプライドを持ち始めて、遅まきながらチャイルドシートを卒業した頃。茶色いソファーの椅子に、姉と隣で腰かけると、なんだかそれだけでドキドキした。

 

私はハンバーガーを食べてて、姉はダブルチーズバーガーを食べていた。いつも不機嫌な母が、どうにかその日は機嫌がよくて、牧師さん相手に、私たち姉妹のことを幸せそうに語っていた。いつもいじめてくる意地悪な姉も、この時は集中してダブルチーズバーガーにかぶりついていたっけ。

 

姉は好き嫌いが多い。

「うえー、ピクルスだ。ウチ嫌いなんだよね。」

つまんで取り出すと、捨てようとしたので、「好き嫌いすんなよ」と母にいさめられていた。

私はもったいないと思い、自然に言った。

 

「○○ちゃんが食べる。」

「マジ!?いいの?」

「うん。」

 

実を言うと、ピクルスは嫌いでないが好きでもなかった。子どもなりに、役に立ちたい気持ちがあったのだろうと思う。

「○○ちゃんは好き嫌いがなくて偉いね」と牧師さんに褒められ、姉は「ありがと、○○」とほんのり嬉しそうだった。

母も牧師さんの手前、それ以上言えずにまた会話に戻っていった。

 

頬が心なしか、ぽかぽかした。私は気恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちで、何と返事したらいいかわからないので、夢中になってハンバーガーを食べていた。

 

 

こんなに美味しいものがあるのかと思った。

 

 

バンズとパティのしっとり感がたまらなかった。

ケチャップの酸味が程よく食欲を刺激した。

玉ねぎの旨味が子どもながらに分かった。

 

何よりも、幸せだった。

あの時たしかに私は、愛されていた。

そう確信できた。

 

美味しそうに食べれば食べるほど

みんなが嬉しそうにしてくれた。

 

マクドナルドの味は、こうして幸せだった記憶と強力に結びついた。

 

あれから20年以上経った今でも

あの多幸感を忘れることができない。

 

 

だから私はマクドナルドが大好きなんだ。

大人になってからも、食の好みは当時のままだ。

 

ハンバーガーに齧りつくとき、

無心になってポテトを貪るとき、

私は栄養以上のものを摂取している。

 

 

さあ、マックに行こう。

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