「なんでもオモチロ屋」とは?
なるさわばしこのオモチロイなんでも屋さんです。
詳細はこちらの、「なんでもオモチロ屋」を始めましたという記事をご覧ください。
忙しい人のための「ママ屋」3行まとめ
依頼を受けた経緯
4月末に「なんでもオモチロ屋」の構想を相談した時、こう言ってくれたのが依頼者でした。
「えー!俺朝起きれないから、朝起こしてくれたら助かる!あと、ばしこさん料理上手だから、作って欲しい!」
依頼者とはシェアハウス仲間。そして仲良し。以前から手料理が余った時に振る舞っていました。
依頼者はそれを、「週3回(月12回)のパッケージで買いたい」と言ってくれたのです。
おお……これはありがたい。
アリ寄りのアリです。
ばしこは依頼について検討しました。
いくら友達でも、お金をもらって料理を作るなら、きちんとしたものを作らなきゃいけません。
自分1人の時みたいに「夕食はいちごポッキー(ハート)」とか「ヤッホイサラダチキン祭り」なんかしてはいけないわけです。
一汁二菜くらいの品数で、毎食動物性タンパク質が摂れ、見栄えもそこそこ良い……少々手間がかかりそうです。材料費も考えると時給1000円を割ってしまいます。
しかし「依頼人の食事と一緒に自分の食事も作れる時間効率の良さ」と、私の「料理したい欲」を満たせる点がすばらしい。
加えて、依頼人の嫌いなものはほとんど無いところと、なんでも大袈裟なくらい美味しい美味しいと食べてくれる人柄も魅力的でした。(すごい偏食だったりイジワルな人だったら割に合わないので絶対依頼は受けませんでした)
依頼者について
矢口様
20代男性。
東京某所で整体サロンを経営しているだけではなく、専門家向けのオンラインサロンも運営しています。若いのにすごいですね。
ばしこの住んでいるシェアハウス入居者の1人。愛称は「やぐっちゃん」。素直で謙虚で明るい人柄から、住民みんなに親しまれています。
唯一の欠点は寝起きが悪いこと。
報酬
日給は1日2000円です。(材料費込)
週3回、月12回の契約で、24000円を頂きました。
また私が寝坊して朝起こせなかった場合は、その日の日給が半額になります(依頼者から特に言われたわけではないのですが、誠実さを示したくて、私が勝手にルールを追加しました)
「ママ屋」日記 1日の流れ
ママ屋の朝は早い……
依頼人の起床希望時刻は朝の6時のため、少し早めに起きなければなりません。
ばしこの起床時刻は5時半。不思議なもので、仕事だと思うとスッと目覚めるものです。
朝の身支度を済ませて依頼人の部屋に向かいます。
依頼人を(叩き)起こす
依頼人の部屋までは徒歩30秒くらいです。
部屋の前で一応ノックします。(まず起きません)
鍵は空いているのでお邪魔します。
部屋に入ると時刻は6時。既に複数の目覚ましが鳴り響いています。(まず起きません)
心を鬼にして布団を剥がし取り、依頼人を起こします。
身体を揺する、窓を開けて外気を入れる、まぶたを物理的にこじ開けるなど色々試します。ちょっと大変です。依頼人は会話が好きなようで、話しかけると比較的スッキリ目覚めます。
覚醒を確認したらキッチンに向かいます。
二度寝を阻止しつつ朝食作成
油断すると依頼人は二度寝しかねないので、ばしこは依頼人の出勤時刻まで起きている必要があります。
依頼人とばしこの2人分、朝食を作ります。
依頼人は元々朝はあまり食べない方なので、簡単なものを用意します。
プロテイン豆乳割(カカオニブ入)
ヨーグルト
ナッツ
一応身体にいいものを選んでいますよ!
朝食のメニューは固定し、毎回同じものを提供します。
依頼人と一緒に朝食を摂り出勤を見送る
降りてきた依頼人と一緒に朝食を摂ります。
依頼人の出発は7時。仕事に向かう姿を見送るとそこで一旦、ママ屋の仕事は休憩です。
夕食の用意
18時ごろ再びキッチンに立ちます。夕食の用意をするためです。
買い出しと下ごしらえは週末のうちに済ませてあるので、調理はすぐに済みます。
この日は
大根と鶏むね肉の煮物
なすときのこのバルサミコ酢ソテー
きゅうりの塩昆布揉み
でした。
朝食もそうですが、1食でタンパク質25g以上を摂れるように計算しています。
帰ってきた依頼人と一緒に夕食を摂る
依頼人の帰宅時刻は大体19時なので、ここに合わせて調理を済ませます。
配膳した後依頼人を呼ぶと、100%「すご!!!!!」と言ってくださいます。(やさしいですね)
一緒に食事を摂るのは調理の手間もそうですが、依頼人に感想を聞いて次回に繋げるためです。
お金を頂いているわけですから、美味しいものを作って差し上げたいですもんね。
とはいえ100%「うんま!!!!!」と言いながら食べてくださいますが。(やさしいですね)
伺うのは依頼人がより好きなものを知るためです。「なんでも好き」だそうですが、おそらく食事に対するイメージがフワッとしているために、具体的な料理名が浮かばないだけだと思うので。
この日の煮物と味噌汁はとても好評でした。どうやら、和食は特に好きな傾向があるみたい。
次回の参考にします。
このようにして週3回勤務しています。
依頼人コメント
「依頼した時の期待値が10とすれば……実際は3兆でした。
想像の何倍以上ものサービスの提供をしてくださいました。料理のおいしさ、見た目の良さはもちろんのこと、ばしこさんからは『ママ屋』という言葉が似合うくらい、温もりさえ感じました。
そうした付加価値というもの……このブログを見ているあなたは、『そんなわけないだろ』と思うでしょうが、僕も1週間前まではそう思っていました。
だからこそ、本気でオススメしたい!僕も勉強になりました。」
終わりに「相手が求める需要を探るオモチロさ」
自分のもっている「なんでもないような技術」が、人にとってはものすごい価値をもつことがあります。
今回の依頼がまさにそうでした。
料理を作るのは子どもの頃から大好きでした。栄養バランスを考えた献立作りも楽しいです。
依頼人を朝起こすのは、学校教員時代早起きに慣れているから特に苦には思いませんでした。
正直なところ、「そんなことでお金頂いちゃっていいの?」(しかも友達から!)という感じ。
さらにびっくりなのは、依頼人は依頼人の方で「こんなに色々してくれるなんて!」と感激しているのです。
お互いにありがたみを感じていました。
まさにWin-Winですね。
今回の依頼では、「依頼人の需要」をちょっぴり多めに満たせたのが良かったのだと思います。
依頼人は、「朝遅刻せずに起きられる環境」と「そこそこ栄養のある家庭料理」を求めていました。
ばしこはそこに、少しだけ上乗せしてサービスを提供したわけです。
「朝遅刻せずに起きられる環境」と「そこそこ栄養のある家庭料理」のうち、前者の朝起こす方は誰がやっても同じになるでしょう。私が注力したのは料理です。
「そこそこ栄養のある家庭料理」を、「栄養バランスを考えた彩りある家庭料理」に。
今にして思えば、料理は本当にそこそこのものでも、依頼人は満足してくれたかもしれません。多分夕食はご飯とおかず1品にしても文句は言わなかったと思います。
相手が求めるレベルが100点満点中80点くらいだとして、あえて90点を狙っていくこの手法は色々なところで使えると思います。
点数を上げるためには、相手の需要を正しく理解することが必要そうです。
今回の依頼でいえば、依頼人は「料理の量」はそれほど求めていませんでした。「昼食は大体外食かカップ麺」「栄養が偏るから一応サラダは買ってる」という事前の情報から、「料理の質=栄養バランス」が需要だとばしこは考えたのです。
相手の求める需要を正しく分析し、求めるレベルのちょっと上を目指す。
どんなお仕事にも言えることかもしれませんね。
相手が求める需要を探る、そんなオモチロい仕事でした。
告知
今回の依頼人の矢口様が、最近シェアハウスのYouTubeチャンネルを開設しました。
私達の住む物件はオーナーさんがデザインにこだわっていて、とってもお洒落なところなんです。
是非ご覧くださいね!